退職することを考えている方の中には、社会保険料の負担がどれだけ変わるのか疑問に思う方もいるようです。
退職日後の社会保険料について。 有給を消化し、5月29日が退職日となるのですがこの場合社会保険料は何月分まで引かれてしまうのでしょうか? 月末退職になるので5月、6月と2ヶ月分給与から引かれてしまうのでしょうか?
引用:Yahoo!知恵袋
この記事では、退職日によって社会保険料の負担額がどのように変わるのか、例を示しながら解説しています。具体的な金額や計算方法も提示しているので、参考にしてみてください。
社会保険料について
社会保険とは何か、どのような保険が含まれるのか解説していきます。
社会保険とは?
社会保険とは、健康保険・厚生年金保険・介護保険の3つを指します。以下、それぞれの保険の内容と、労働者の負担の割合を表にまとめました。
社会保険料の主な種類 | 内容 | 労働者の負担の割合 |
健康保険料 | 加入し保険証を提示することで、1~3割負担で医療機関を受診できる。 | 50% |
厚生年金保険料 | 70歳未満の人が加入する保険。65歳以上になったときにに受け取ることができる年金。病気や怪我などで障害の状態になったときにも支給される。 | 50% |
介護保険料 | 40歳以上になったときに納める保険料。介護が必要になった際に、各種サービスを受けることができる。 | 50% |
介護保険料は、健康保険料に上乗せして請求されます。また、退職した後に次の仕事が見つかっていない場合は、自分で国民年金保険や国民健康保険などに加入する必要があります。
一方で、退職日の翌日が新しい職場の入社日の場合、前の会社から新しい会社に保険の情報を引き継ぐことができます。そのため、別途自分で社会保険の手続きをする手間がなくなります。
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社会保険料に関する前提知識
社会保険料について解説する前に、社会保険料に関して押さえておきたいポイントをまとめました。
- 「社会保険資格喪失日」とは退職日の翌日のこと。
- 社会保険料は日割りではなく月割りで計算される。
- 保険証は、退職後に会社へ返却。保険証は退職日の当日まで使用可能。
- 保険料は、給料だけでなく賞与からも別途徴収されるケースがある。
社会保険資格喪失日が退職月と同じ月になるかどうかで、給料から保険料が徴収されるかどうかが変わります。次の章で解説していきます。
退職日ごとの社会保険料の違い
退職をするタイミングと、何月分の保険料が徴収されるかを表にまとめました。「何月分までの社会保険料を負担するのか」は、以下3つのいずれかのパターンに当てはまります。
また、賞与が給付された月と同月に退職する場合、給与とは別に賞与から保険料が徴収されるケースがあります。以下、表外で詳細を解説します。
月末退職の場合
月末に退職をした場合、退職月の前月分と退職月の保険料が給与から徴収されます。以下、上記の表に合わせて例を提示します。
例)2024年9月30日に退職した場合
➡8月(退職月の前月分)と9月(退職月の分)の保険料が徴収される
※社会保険資格喪失日は翌日の10月1日
保険料を会社が半分負担してくれるとはいっても、その分退職月の給与の手取りが減るのは痛手ですよね。退職する方は、条件を満たせば社会保険給付金や失業保険の手続きをすることで、給付金を受け取ることができます。
ですが、こうした給付金の申請は手続きや書類の記入が複雑で、面倒に感じる方も多いです。
失業保険諸々申請に来たけどあまりにも面倒がまさって発狂して帰りそうになってる
— (nuu) (@unuazi) September 24, 2024
「面倒な手続きはしたくないけど、もらえる給付金はもらいたい…」そんな方は、退職コンシェルジュなどの社会保険給付金・失業保険の申請をサポートしてくれる社会保険給付金サポートを活用するのがおすすめです。
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失業保険は、30歳未満は1日あたり最高で7,065円給付されます(参照:厚生労働省|ハローワークインターネットサービス基本手当について)。
退職後すぐに仕事が決まっていない場合、このような給付金を受け取ることができれば助かりますね!
月末以外(月中)に退職した場合
月末以外に退職をした場合、退職の前月分のみ社会保険料が徴収されます。以下、上記の表に合わせて例を提示します。
例)2024年9月29日に退職した場合
➡8月(退職月の前月分)のみ保険料が徴収される
※社会保険資格喪失日は翌日の9月30日
月初や中旬(9月1日や9月16日など)でも、8月分の保険料のみの徴収です。
社会保険資格喪失日が含まれる月は、基本的に社会保険料は徴収されません。
例外として、社会保険資格喪失日が含まれる月でも社会保険料が徴収されることがあります。
例外のケース)入社・退職が同月の場合
以下、『入社・退職が同月の場合』について解説します。
入社・退職が同月の場合
入社した日と退職した日が同月の場合、入社した日が社会保険資格取得日になります。そのため、入社した月1ヶ月分の社会保険料が徴収されます。
例)2024年9月27日に入社して9月29日に退職した場合
➡9月分の保険料が徴収される。
社会保険資格喪失日は9月4日。社会保険資格取得日
なお、入社と退職したのが同じ月かつ(転職して別の会社の)雇用保険や国民年金に加入した場合、以前の会社で徴収されていた年金保険料は返還されます。後日、年金事務所から保険料返還のお知らせが届きます。
退職日と賞与の支給が同月の場合
退職日と賞与の支給が同月の場合についてです。月末に退職する場合は、給与から差し引かれるだけでなく、賞与からも保険料が差し引かれます。
一方、月末以外に退職する場合は、給与からのみ保険料が差し引かれ、賞与からは差し引かれません。以下、具体例を提示します。
例)9月10日に賞与を支給して、9月30日に退職をした場合
➡給与から保険料が差し引かれるだけでなく、賞与からも差し引かれる
例)9月10日に賞与を支給して、9月16日に退職をした場合
➡給与からのみ保険料が差し引かれ、賞与からは差し引かれない
具体的に引かれる金額は?
給与から引かれる社会保険料の金額を具体的に解説します。多くの方が加入している協会けんぽを例として、以下の表を参考に計算します。
なお、協会けんぽの保険料は都道府県ごとに異なりますが、ここでは東京都の場合を例に取り上げています。
上記の表内の『報酬月額』とは、毎月の給与のことです。給与ごとに社会保険料が異なります。40歳未満の方は、上記表内の健康保険料の金額➀と厚生年金の金額③を足した金額が給与から引かれている社会保険料です。
40歳以上の方は、介護保険料を含む健康保険料の金額②と厚生年金の金額③を足した金額が社会保険料です。以下、毎月引かれる社会保険料の具体的な金額を、例として記載します。
例)給与が月22万円の場合に給与から引かれる、社会保険料の金額
40歳未満:10,978円+20,130円=31,108円
40歳以上:12,738円+20,130円=32,868円
協会けんぽに加入されている方は、全国健康保険協会のHPで社会保険料の確認ができます。令和6年度保険料額表は、全国健康保険協会|令和6年度保険料額表(令和6年3月分から)のページで確認できます。
上記のページに移った後、都道府県を選択する必要があります。以下のように保険証に記載があるので、自分の保険の支部はどこか確認してみましょう。
月末と月中退職、損をしないのはどっち?
月末と月途中の退職、どちらにしたら損をしないかは一概には言えません。会社が半分負担してくれるから月末退社の方が得するケースが多いです。
ただ、退職後に健康保険と年金保険、それぞれの保険をどのような加入形態にするかにより異なります。そのため、事前に管轄の役所や年金事務所に負担額を確認し、金額を比較するのがおすすめです。
毎月引かれている保険料は、給与明細で確認できます。今後自分で負担する保険料と比較する場合は、一度給与明細を確認してみましょう。
また、退職した月の給与が少ない場合、社会保険料の他に別の金額が引かれている恐れがあります。以下の記事で詳細を解説しているので、参考にしてみてください。
まとめ
社会保険料として労働者が負担する主な保険料は、健康保険料・介護保険料・年金保険料の3つです。社会保険料は退職日によって給与から差し引かれるかどうかが変わります。以下のとおりです。
➀月末退職の場合
➡退職月の前月分と退職月の保険料が給料から徴収
②月末以外(月中)に退職した場合
➡退職の前月分のみ社会保険料が徴収
③入社・退職が同月の場合
➡入社した月1ヶ月分の社会保険料が徴収
※賞与が付与された月と退職日が当月の場合
➀の場合は給与とは別に賞与からも保険料が差し引かれる。
②の場合は給与からのみ差し引かれ、賞与からは保険料が差し引かれない。
社会保険料として給与から引かれる金額の目安として、給与が月22万円の場合、毎月の給与からは約3万円程の社会保険料が差し引かれます。
退職日を月末・月中どちらにした方が損をしないかについては、一概に言えません。月末を退職日とする方が、退職月当月の保険料の負担額を抑えられることが多いです。
正確な金額を比較したい場合は、事前に管轄の役所や年金事務所に問い合わせておくと良いでしょう。
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