「育休を取りたい!でも、似たような制度名が色々あって、何を申請したらいいのか分からない…」という方もいるのではないでしょうか。
育休というと、「育児休暇」という言葉を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、育児休暇は会社独自で定めている休業制度です。この記事では、法律で定められている「育児休業」について解説します。
取得できる期間や申請期限・申請方法についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
育休とは
育休は正式には育児休業といいます。基本的な育児休業の他に、育児休業の特例『パパ・ママ育休プラス』や『産後パパ育休(出生時育児休業)』があります。それぞれの違いを、以下の表にまとめました。
制度名 | 育児休業 | パパ・ママ育休プラス | (出生時育児休業) | 産後パパ育休
内容 | 1歳に満たない子どもを養育する労働者が取得できる休業期間。 | 1歳2ヶ月未満の子どもを養育する労働者が取得できる休業期間。 | 出生後、子どもを養育するために労働者が取得できる休業期間。 |
期間 | 原則2回に分けて希望の期間を取得可能。※特別な事情がある場合は、1歳6か月または2歳まで延長可。 | 1年間まで。 ※出産日・産後休業期間・産後パパ休業を含む | 出生後8週間の間に4週間まで、2回に分けて取得可能。 |
条件 | ①1歳に満たない子どもを育てる、働く男女であること ②日雇い労働者ではないこと ③有期雇用の場合、子どもが1歳6か月に達する日以降も契約更新される予定であること ④労使協定で定められた一定の労働者ではないこと | ①妻(夫)が子どもが1歳になるまでに育児休業を取っていること ②本人の育児休業開始予定日が、子どもの1歳の誕生日以前であること ③本人の育児休業開始予定日は、妻(夫)がしている育児休業の初日以降であること ④有期雇用の場合、子どもが1歳6か月に達する日以降も契約更新される予定であること ⑤労使協定で定められた一定の労働者ではないこと | ①出生後8週間以内の子どもを養育する産後休業をしていない男女労働者であること ②日雇い労働者ではないこと ③有期雇用の場合、子どもの出生日or出生予定日いずれか遅い方から起算して8週間を経過する日の翌日から6か月以降も契約更新される予定であること ④労使協定で定められた一定の労働者ではないこと |
申請方法・期限 | ・『育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届』と『育児休業申請書』の書類を提出 ・休業開始希望日の1か月前まで | ・育児休業申請の書類に加え『続柄が記載された世帯全員の住民票(写し)』と『配偶者の育児休業の取得を確認できる書類』を提出 ・休業開始希望日の1か月前まで | ・『出生時育児休業申出書』を会社へ提出 ・休業開始希望日の2週間前まで |
以下、それぞれの項目を解説していきます。
育児休業
育児休業とは、原則1歳未満の子どもを育てるために設けられた休業制度で、育児・介護休業法により定められている休業のことです。育児休業は、勤め先の就業規則に記載がなくとも、条件を満たしていれば取得することができます。
法律に基づいた労働者の権利のため、会社は基本的には育児休業を取得したいという申し出を拒むことはできません。
パパ・ママ育休プラス
パパ・ママ育休プラスとは、子どもが1歳2ヶ月になるまで父親と母親がそれぞれ休業する場合に取得できる育児休業です。
「1人当たりが取得できる育休日数が(産後休業を含めて)1年間」ということに変わりはありませんが、共働きで育児をしたい場合に便利な制度です。
父親または母親どちらかのみが育休を取る場合は『パパ・ママ育休プラス』ではなく、通常の『育児休業』が適用されます。詳しい条件については、「育休が取れる条件」の項目で解説します。
育児休業またはパパ・ママ育休プラスを取得し、要件を満たした場合「育児休業給付金」の支給を受けることができます。詳細については、ここでは省略します。
産後パパ育休(出生時育児休業)
産後パパ育休(出生時育児休業)とは、育児休業とは別に取得できる休業期間です。「パパ」と記載があるように、基本的には男性が取る休業期間です。
産後パパ育休は子どもが産まれてから4週間休めるという制度ですが、出産した女性は産後8週間の休業が義務付けられています。そのため、通常は父親が取る休業制度ですが、養子を迎えているなどの場合は女性でも取得が可能です。
産後パパ休業を取り、一定の要件を満たすと「出生時育児休業給付金」の支給を受けることができます。詳細については、先述と同じくこの記事では説明を省きます。
子どもが産まれてから、子どもと外出する際、ベビーカーよりも身軽に移動できる手段として抱っこ紐を使う人も多いです。「出費が多くなる時期だから買い物に失敗したくない!」という方も多いと思います。
そんな方は、日本人の小柄な体型に合ったnapnapベビーキャリーの抱っこ紐がおすすめです。
\男性・女性どちらでも使いやすい!/
育休期間
育休が取れる期間には定めがあります。また、『パパ・ママ育休プラス』と『産後パパ育休』は、それぞれ決められた期限内に取得し終えているという条件があります。
以下、それぞれの期間について表を提示します。表内には補足として産休の期間も記載しています。
育休の期間について、今回は2025年1月4日が出産予定日として解説していきます。
産休については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
育児休業
育児休業で休める期間は、原則として子どもが1歳になる日の前日までです。以下、具体的な日付と共に例示します。
例)2025年1月4日が出産日の場合
2025年3月2日~2026年1月3日まで。
なお、子どもが保育所に入れないなどの特別な事情がある場合は、育児休業の期間を延長できます。子どもが1歳6か月になるまでです。
1歳6か月の時点でも保育園に入れない等の特別な事情がある場合は、子どもが2歳になるまで休業することができます。
パパ・ママ育休プラス
パパ・ママ育休プラスで休業できる期間は、子どもが1歳2ヶ月になる前日までの1年間です。この1年間の期間には、出産日・産後休業・産後パパ休業期間を含みます。
パパ・ママ育休プラスは、以下のようなパターンで取得をすることができます。
以下、具体的な日付で例示します。
例)2025年1月4日が出産日の場合
2025年1月4日~2026年3月3日の間で1年間。
夫婦で交互に取得するだけでなく、同時でも休業の取得ができます。また、特別な事情がなくとも1歳2ヶ月になる前日まで休業できるので、少しでも長く自分たちで子どもの面倒をみたいという方に向いている休業です。
パパ・ママ育休プラスには取得の条件があります。条件を満たしているか、次の章の「育休が取れる条件」を参照してみてください。
産後パパ育休(出生時育児休業)
産後パパ育休は、子どもが産まれてから8週の間に4週間まで取得できます。以下、具体的な日付で例示します。
例)2025年1月4日が出産日の場合
2025年1月4日~2025年3月1日の間で4週間まで。
子どもが生まれた後、2回に分けて取得できます。育児休業とは別で取得できるので、夫婦で協力しての育児がよりやりやすくなります。
育児で大変なことの1つとして、「子どもがぐずってなかなか眠ってくれない」「夜泣きに悩まされる」など睡眠に関することが多いと思います。
赤ちゃんがなかなか眠ってくれなくて困るときは、睡眠を促すような環境を整える工夫が必要です。工夫の1つとして、赤ちゃんの寝かしつけ時に使う「おくるみ」を見直してみるのもおすすめです。
エマムールのおくるみなら、お母さんのおなかの中にいるような適度なしめつけを与えることができ、通気性や吸湿性にも優れているので、赤ちゃんの快適な睡眠を促すことができます。
\89%の人が「効果があった!」と満足!/
育休が取れる条件
以下、育休が取れる条件をそれぞれ解説します。
育児休業
育児休業を取るためには、以下の全ての条件を満たしている必要があります。
- 1歳に満たない子どもを育てる、働く男女であること
- 日雇い労働者ではないこと
- 有期雇用の場合、子どもが1歳6か月になる日以降も契約更新される予定であること
- 労使協定で定められた一定の労働者ではないこと
1及び2の項目については捕捉がないため説明を省きます。3の有期雇用とは、雇用期間の定めがある労働者のことで、パートやアルバイト・契約社員などを含みます。
雇用形態については、『雇用形態とは?8つの種類や名称を一覧ですべて解説!』でも解説しているので、参考にしてみてください。
4の労使協定とは、労働者と会社の間で合意して決めるルールのことです。労働基準法に記載のある事柄以外の内容や、例外的なケースについて書面でまとめられています。
労使協定で育児休業の申し出が拒否できるとする例として「入社1年未満の従業員」や「1週間の所定労働日数が2日以下の場合」などがあります。以下、厚生労働省が提示している例を提示します。
労使協定の書類は、雇用契約時に交付されている場合は、会社に保管されている場合があります。
育休に関して会社に相談する際は、なにか労使協定を結んでいないか含め確認をしてみましょう。
パパ・ママ育休プラス
パパ・ママ育休プラスを取得するには、以下全ての条件を満たしている必要があります。
- 妻(夫)が子どもが1歳に達するまでに育児休業を取得していること
- 本人の育児休業開始予定日が、子どもの1歳の誕生日以前であること
- 本人の育児休業開始予定日は、妻(夫)がしている育児休業の初日以降であること
- 有期雇用の場合、子どもが1歳6か月に達する日以降も契約更新される予定であること
- 労使協定で定められた一定の労働者ではないこと
1について、パートナーが先に子どもが1歳になる前に育児休業を取得している必要があります。2について、パパ・ママ育休プラスを取りたい夫(妻)は、子どもが1歳の誕生日を迎える前までに休業を取ることと規定しています。
3に関して、先に育休を取得している夫(妻)の育休開始日よりも後に取得することという意味です。4と5については、先述の育児休業の内容と重複するため解説を省きます。
産後パパ育休(出生時育児休業)
産後パパ育休を取得するには、以下全ての条件を満たしている必要があります。
- 出生後8週間以内の子どもを養育する産後休業をしていない男女労働者であること
- 日雇い労働者ではないこと
- 有期雇用の場合、子どもの出生日or出生予定日いずれか遅い方から起算して8週間を経過する日の翌日から6か月以降も契約更新される予定であること
- 労使協定で定められた一定の労働者ではないこと
1の「産後休業をしていない」についてです。通常は、産後休業を取ることができない父親が、この産後パパ育休を取得します。
出産した女性は必ず8週間の産後休業を取らなければならないため、出産した女性は産後パパ育休を取得できません。養子を迎えるなどした場合は、母親でも産後パパ育休を取ることができます。
2と4に関しては、先の説明と重複するため説明を省きます。
3について、パートやアルバイトなど雇用期間に定めがある場合は、子どもの出生日または出生予定日どちらか遅い方から数えて「8週間を過ぎた翌日」から「6か月以降」も契約更新される予定であることが条件です。
育休の申請方法・期限
育休の申請方法と申請期限についてそれぞれ解説します。
育児休業
育児休業の申請をする場合、まずは会社に申告をします。申告を受けた会社が、申請に必要な『育児休業等取得者
申出書(新規・延長)/終了届』と『育児休業申請書』という書類を準備します。
書類の提出は会社が行いますが、記入は申請者本人が行うため、以下書類の見本と記入例を提示します。
育児休業申請書は会社により既定のフォーマットがあることが多いです。厚生労働省HPに社内書式の例がありますので、以下提示します。
『育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届』の記入例は以下です。
育児休業の申請期限は、育児休業取得希望開始日の1か月前までです。以下、具体例を提示します。
例)2025年1月4日が出産日の場合
育児休業の申請期限:2025年2月2日まで。
当初の出産予定日よりも早く子どもが出生したときなど、特別の事情がある場合には、休業を開始しようとする日の1週間前の日が申請の期限日です。
なお、子どもを保育園に入れることができないなどの特別な事情がある場合は、育児休業期間の延長ができます。1歳6か月・2歳の各年齢になるまでの2週間前までに申請が必要です。詳細については、厚生労働省|育児中の女性労働者への配慮で確認できます。
パパ・ママ育休プラス
パパ・ママ育休プラスの取得の場合も、まず会社へ申告をします。育児休業時と同様に、取得を希望する1ヶ月前までに申請します。具体的な日付の例については、先述の内容と重複するため省略します。
また、パパ・ママ育休プラスの申請には育児休業の申請書類に加えて以下が必要です。
- 続柄が記載された世帯全員の住民票(写し)
- 配偶者の育児休業の取得を確認できる書類
1については、お住まいの役所で取得できます。2については、先述した妻(夫)の『育児休業申出書』などが該当します。
産後パパ育休(出生時育児休業)
産後パパ育休の取得も、まず会社へ取得希望の申告をします。その後、会社指定のフォーマットがある場合は『出生時育児休業申出書』を会社へ提出します。
厚生労働省HPに社内書式の例がありますので、以下提示します。
申請期限は、休業開始希望日の2週間前までです。「出産予定日より早く子どもが出生した」などの特別な事情がある場合は、1週間前までが申請期限です。以下、具体的な日付を例示します。
例)2025年1月4日が出産日の場合
産後パパ育休の申請期限:2025年1月19日まで。
※補足:3月1日が休業できる最終日。
2月2日から4週間取得する場合、2月2日からさかのぼった2週間前の日付。
2回に分けて取得する場合であっても、申請は1回でまとめて行います。
夫婦で連携を取るためにも、休業取得のタイミングについてはきちんと話し合っておく必要がありそうですね。
育休を夫婦でとる場合のおすすめの取り方は?
「育休を夫婦2人で取得できることは分かったけど、具体的にどんなタイミングで取得すればいいんだろう?」と悩まれる方もいると思います。以下、夫婦2人で育休を取得する場合の取り方を図で例示します。
上記は、『パパ・ママ育休プラス』と『産後パパ育休』制度を活用し、子どもが1歳2ヶ月になるまで夫婦で育休を取得した場合の例です。
パパ・ママ育休プラスで取得できる1年間の期間の中には、『産後休業』と『出産日』さらに『産後パパ育休』で休業した期間も含みます。
特別な事情がある場合は育児休業で育休期間の延長もできます。複数のパターンを想定した厚生労働省の資料があるので、詳細は厚生労働省|支給対象期間について(パパ・ママ育休プラス制度と延長制度の事例集)を参照してみてください。
まとめ
育児休業とは、原則1歳未満の子どもを育てる働く男女に与えられる休業制度です。特別な事情があり1歳を超えても引き続き休業を希望する場合は、1歳6か月、最大で2歳になるまで休業期間を延長できます。
基本的な育児休業の中でも『パパ・ママ育休プラス』という制度があります。特別な事情がなくとも、夫婦それぞれで育休を取るケースに限り、特別な事情がなくとも子どもが1歳2ヶ月になるまで育休をとることができます。
育児休業とは別に、子どもが産まれてから8週間以内であれば、産後パパ育休(出生時育児休業)という育休を取得することができます。
育休取得の申請には期限があります。制度を最大限に活用するためにも、夫婦でよく話し合い、取得するタイミングを決めることが大切です。