「退職した後、保険証はいつまで使えるんだろう?」と疑問に思う方は多いようです。
退職日前に、会社に保険証を回収されてしまいました。 今月末日で退職、あとは有給休暇取得の予定なので、月末まで保険証が使えると思っていたのですが。 実働最終日で保険証は使えなくなるものなのでしょうか?
引用:Yahoo!知恵袋
病気や怪我でいつ受診することになるか分からないので、保険証がいつまで使えるかは知っておきたいですよね。この記事では、退職日を過ぎると保険証は使えなくなるのか、また保険証なしで受診する場合の方法について解説していきます。
退職後に加入できる保険の選択肢についても解説しているので、参考にしてみてください。
退職日以降に(会社から貸与されている)保険証は使える?
結論からお伝えすると、退職日以降は保険証を使うことはできません。以下、具体例です。
例:2024年10月2日が退職日の場合
2024年10月2日まで保険証は使用できる。
2024年10月3日以降は保険証は使用できない。
退職後は、速やかに会社へ保険証を返却する必要があります。なお、有給の消化後に出勤せず、そのまま退職することになっている場合は、有給消化後の退職日まで保険証を使用できます。
保険証が使える期日は最終出勤日ではなく『退職日まで』ということです。
退職日以降に保険証を使ったらどうなる?
退職後に会社から貸与されている保険証を使ってしまった場合、後から医療費を返還する必要があります。窓口で提示した際、使用ができない保険証と判断されず、そのまま会計されることが多いです。
保険証を提示した場合、2~3割負担で受診することができます。しかし、使用できない保険証であると判明した場合、後から残りの7~8割を返す必要があります。
以下、無効な保険証を使ってしまった場合に発生する返還金の具体例です。
例:3割負担の人が病院を受診し、窓口で3,000円の自己負担金を支払った場合
総医療費の3割が3,000円。
よって、総医療費は10,000円。
協会けんぽなどが一時的に負担する金額は7,000円。
→返還する必要がある金額は7,000円。
万が一、無効な保険証で受診してしまった場合、後日加入している協会けんぽなどから納付書が送られてきます。納付書が届いた場合は、速やかに支払いましょう。
「今すぐにでも退職したいけど、次の仕事先が見つかっていない…」という人もいると思います。その場合、次の仕事が見つかるまでの間、貯金を切り崩して生活することになります。
退職をお考えの際は、今後必要な生活費を計算し、貯金が不足する場合は消費者金融のプランなどのキャッシングサービスの利用も視野に入れおくことをおすすめします。
収入が途絶える退職後は、クレジットカードの作成を含め、キャッシングサービスの利用ができないケースがほとんどです。経済的な面でも、事前に計画を立てておくことが大切です。
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また、社会保険料の負担額は退職日により異なります。以下の記事で詳しく解説しているので、経済的な計画を立てる際の参考にしてみてください。
退職した後に加入できる保険は?
日本には、国民皆保険制度という制度があります。この制度により、日本に住む国民は公的な医療保険制度に加入することが義務付けられています。
日本では、すべての人が何らかの公的な医療保険制度の対象となり、加入することになっています(国民皆保険)。職場の健康保険などに加入している人、後期高齢者医療制度に加入している人や生活保護を受けている人以外は、国籍を問わず、すべての人に国保加入が義務付けられています。
引用:東京都港区区役所|国民健康保険にはすべての人が加入しないといけないのですか。
退職後は、会社の社会保険から抜けるため、国民健康保険などの健康保険に加入する必要があります。以下、退職後に加入できる健康保険について表にまとめました。
再就職しない場合、自身で健康保険に加入する手続きをする必要があります。
一方で「退職日の翌日から次の会社で働くことが決まっている」かつ「再就職先で社会保険に加入できる」場合は別途、健康保険に加入する手続きは不要です。
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国民健康保険に加入する
退職した後に加入できる健康保険の1つとして、国民健康保険があります。国民健康保険に入る場合、退職日の翌日から14日以内に加入する必要があります。
14日を過ぎても加入できますが、退職日の翌日までさかのぼって保険料を支払う必要があるので注意が必要です。また、国民健康保険に加入する場合は以下の書類が必要です。
- 離職票や健康保険資格喪失証明書
- 本人確認書類 など
お住まいの市町村により、必要書類が異なる恐れがあります。事前に手続きする窓口へ問い合わせ、確認しておくと良いでしょう。
退職後に必要な書類については、以下の記事で詳細に解説しています。参考にしてみてください。
家族の扶養に入る
以下、全ての条件を満たしている場合、家族の扶養に入ることができます。
- 3親等以内で生計をまとめている
- 年間の収入が130万円未満である
申請時には「被扶養者(異動)届」などの書類を提出する必要があります。その他「退職証明書」など添付書類が必要な場合もあるので、詳細については家族を通して会社へ確認してもらいましょう。
会社の保険に任意継続する
任意継続とは、退職した会社の健康保険に引き続き加入するということです。以下、多くの方が加入している協会けんぽの加入条件です。以下の条件を全て満たしている場合、退職した会社の健康保険を継続できます。
引用:協会けんぽ|任意継続の加入条件について
- 資格喪失日の前日までに健康保険の被保険者期間が継続して2ヵ月以上あること。
- 資格喪失日(退職日の翌日等)から20日(20日目が土日・祝日の場合は翌営業日)以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること。
なお、申請に必要な書類は協会けんぽの任意継続被保険者資格取得申出書のページでダウンロードできます。
会社が協会けんぽに加入している場合、任意継続で加入できる期間は2年間です。2年を経過後に再就職せず社会保険に未加入の場合は、「国民健康保険に加入する」または「家族の扶養に入る」必要があるので、注意が必要です。
保険証なしで受診する方法は?(健康保険加入の手続き中の場合)
退職後、健康保険の加入の手続きをした後、手元にカードが届くのに時間があります。以下、健康保険加入の手続き中で、保険証なしで受診する方法を記載します。
- 一度自身で全額負担する
- 後日、加入した健康保険に療養費支給申請書を提出する
保険証なしで受診する場合、一度自身で医療費の全額を負担する必要があります。その後、加入の手続きをした健康保険の管轄先へ「療養費支給申請書」という申請書を送付し、療養費の支給申請を行います。
療養費支給申請書のフォーマットは、加入している健康保険により異なります。そのため、国民健康保険に加入している場合は、各役所の国民健康保険給付課のサイトで手続き方法を確認しましょう。
国民健康保険や健康保険組合によっては、「医療費を支払った日の翌日から2年を経過すると時効となり申請できない」など、支給申請できる期限が設けられている場合があります。
「保険証が手元になく、一旦全額自身で支払った」という場合は、保険証が届き次第、速やかに支給申請の手続きをしましょう。
まとめ
退職日以降に保険証を使うことはできません。厳密には、受診時に退職した会社の保険証を提示すると、窓口では3割負担などの支払いのみで済みます。
ただし、後に会社が加入していた協会けんぽや保険組合から納付書が届くため、最終的に10割負担で受診をすることとなります。
退職後に加入する保険の選択肢として、以下の3つがあります。
- 国民健康保険に加入する
- 家族の扶養に入る
- 退職した会社の保険に引き続き加入する(任意継続する)
上記いずれかの保険に加入が必要となりますが、保険証が届くまで時間がかかる場合があります。万が一、保険加入の手続き後、保険証が手元に届く前に受診した場合は、別途申請すれば医療費の一部が返還されます。
返還の申請には期限がある場合があるため、保険証が届き次第、速やかに申請しましょう。