退職時に会社から発行できる書類がいくつかあります。
今回は退職後に必要な書類とそれぞれの使用方法を解説します。
また、その必要書類を退職後に追加でほしい際の対応についてもご紹介していきます。
退職時に会社で発行できる書類
退職は人生で何度も経験することではありませんし、始めて退職をされる方も多いかと思います。
退職後には何の書類が発行できるか、どの書類をもらっておくべきか事前に知っておくと退職後の手続きがスムーズなため、こちらに記載していきます。
源泉徴収票
源泉徴収票についてを以下に記述します。
源泉徴収票とは
源泉徴収票とは、1年間の会社から支払われた給与と控除額、そして納付した所得税額を記載した書類です。
会社に勤めていて退職した場合、源泉徴収票を発行希望の旨を伝えれば会社が発行し受け取ることが出来ます。
例え1日しか働いていないアルバイトでも源泉徴収票の発行は可能です。
※会社に雇用されている場合に発行となるため、個人事業主は発行されません。
源泉徴収票の使用用途
源泉徴収票は年末調整や確定申告の際に必要になります。
退職時には必要ないと思って会社から貰わず、10月~11月頃になって前職の源泉徴収票が必要ということが発覚し、会社に発行を依頼しずらく困るケースがよくあります。
また、親や配偶者などの扶養に入っていて、年末調整時に源泉徴収票が必要だと発覚するケースもあります。
そのため、源泉徴収票は必ず発行しておくとよい書類です。
源泉徴収票の発行時期
源泉徴収票は通常会社の年末調整の後に発行されます。
ただし、退職時には発行希望があれば年末調整を待たずに発行は可能です。
おおよそ、最終給与日から2週間~1ヶ月で発行されるのが通例です。
退職後に発行となるため、源泉徴収票発行後に会社から郵送、もしくは会社のシステムでweb上で受け取ることが多いです。
離職票(雇用保険被保険者離職票)
離職票(雇用保険被保険者離職票)についてを以下に記述します。
離職票とは
離職票とは会社を退職したことを証明するための公的な書類です。
会社の雇用保険に加入していて退職した場合、会社に離職票発行希望の旨を伝えれば受け取ることが出来ます。
例え1日~12ヶ月未満での退職でも雇用保険に加入していれば離職票を発行することは可能です。
離職票は会社ではなくハローワークから発行されます。
会社は退職時に離職票の発行希望があった場合には、ハローワークへ離職票の発行をするために「雇用保険被保険者
離職証明書」を申請します。
離職票の使用用途
離職票はハローワークでの失業保険(失業手当)の申請の際に必要となります。
短期間の在籍で失業保険の受給資格に当てはまらないと思っている場合でも、他社で離職票をもらっていればその期間と通算して失業保険を受け取ることができる可能性もあります。
転職時には必須な書類ではないですが、何かあった時に使える可能性があるため退職時には受け取っておいた方がよい書類です。
離職票の発行時期
基本的な流れとしては退職する社員の最終給与の計算を行った後、会社がハローワークへ書類を提出します。その後ハローワークから発行されたものを会社から退職者本人のもとへ郵送されるので、退職者が離職票を受け取るのは、退職後・最終給与日から2週間~約1カ月前後が通例となります。
健康保険資格喪失証明書(社会保険資格喪失証明書・健康保険脱退証明書)
健康保険資格喪失証明書についてを以下に記述します。
健康保険資格喪失証明書とは
健康保険資格喪失証明書は健康保険・社会保険を脱退したことを証明する書類です。
会社の健康保険・社会保険に加入して退職した場合、健康保険資格喪失証明書の発行希望の旨を伝えれば受け取ることが出来ます。
会社は発行を希望された場合、手続きを行い発行しなければいけません。
書式は決まったフォーマットがないので、会社で事前にフォーマットが用意されていてその書式で発行されるケースが多いです。
そのため名称も「健康保険資格喪失証明書」「社会保険資格喪失証明書」「健康保険資格喪失証明書」など会社によって異なります。
健康保険資格喪失証明書の使用用途
健康保険資格喪失証明書は会社の健康保険・社会保険から国民健康保険への切り替えの為に役所に提出する書類となります。
また、その他にも扶養に入る場合にも提出が必要な場合もあります。
会社によっては保険の二重加入を防ぐために前職の健康保険資格喪失証明書の提出を求められるケースもあります。
健康保険資格喪失証明書の発行時期
基本的には退職日以降に会社で発行されます。
健康保険証(保険証)の返却を確認した後に発行する会社が多いです。
また郵送で送る対応となるため、会社ではすぐに発行できますが、他の退職後必要書類の発行でき次第、とまとめて一緒に会社から送られてくるケースも多いです。
その他
そのほか、退職時に取得可能な書類を以下に記述します。
退職証明書
退職証明書は公的な書類ではありませんが、退職者がその会社を退職したことを証明します。
退職した事実を示す書類の為、転職先に求められたときなどに使用します。
雇用保険被保険者証
雇用保険被保険者証は雇用保険に加入したことを証明する書類です。
転職や再就職の際に会社へ雇用保険被保険者番号を提出をするので、雇用保険被保険者証は転職時に重要な書類となります。
入社して雇用保険を加入したタイミングで雇用保険被保険者証を渡されることが多いですが、会社が保管していて返還が無かった場合に退職時に返還を依頼できる書類になります。
年金手帳
公的年金制度への加入者に交付され、加入者ごとの基礎年金番号や加入記録などが記載されています。入社時に年金基礎番号を伝えるために会社に提出している場合があります。
入社時に会社へ提出をして、返還が無かった場合に退職時に返還を依頼できる書類です。
退職後に必要な可能性が高い書類
退職後に必要な書類をそれぞれ紹介しましたが、その中でも退職時に必要な可能性が高い書類は下記のとおりです。
- 源泉徴収票
- 離職票
- 健康保険資格喪失証明書
- 雇用保険被保険者証(入社時に会社から返還される場合あり)
それぞれ必要な書類は退職時に確実に受け取っておくとスムーズです。
退職後必要書類がもらえない(追加でもらいたい)場合の対応方法
会社へ確認をとる(電話・メール・書面)
基本的には会社が対応する書類なので、その会社の本社へ連絡をするのが一番効果的です。
電話での連絡が気まずい、しづらいという事であれば、メールや書面でも問題はありません。
メールや書面の場合は、
- ご自身のお名前
- 所属、店舗名
- 従業員番号
- 必要な書類
この4点を記載しておけば、基本的には対応頂けます。
郵送する書面の記載例としては以下のような書式となります。
返信が必要な場合には切手を貼って返信先を記載した返信用封筒やレターパックを同封しておくと対応して頂ける可能性が高いです。
届かないという事を避けるためにも郵送は追跡ができるレターパックがおすすめです。
レターパックに関しては以下の記事で紹介しております。
専門機関へ行く
以下に記載したことは、あくまで一例となり、お住まいの管轄の役所によって対応は異なります。ただ、困った場合は専門機関に確認をとるのが一番確実な対応となります。
専門機関の詳細に関しては以下の記事にも記載しています。
また、以下に記載した内容に関しては、前提として一度会社へ発行希望の旨を伝えた上での対応となります。
源泉徴収票
税務署に「源泉徴収票不公付の届出書」を申請する。
※最寄りの税務署に事前に電話して対応確認するのが確実。
離職票(雇用保険被保険者離職票)
最寄りのハローワークに行き、離職票の発行を会社に催促をしても届かない旨を相談すれば会社に離職票の催促の連絡をしてくれる可能性がある。
健康保険資格喪失証明書(脱退証明書)
離職票にて国民保険への切り替えを行う。自分で年金事務所窓口で健康保険資格喪失証明書の発行を依頼すれば交付してもらうことができる。(協会けんぽの場合)
雇用保険被保険者証
最寄りのハローワークに行き、雇用保険被保険者証再交付申請書を提出する。
※申請に必要な書類等は事前にハローワークに電話して確認。
年金手帳
最寄りの年金事務所で年金基礎番号通知書の発行手続きを行う。
※現在ではマイナンバーカードで代用が可能
退職後必要書類に関してのまとめ
退職後必要書類の一覧をまとめました。
退職時に会社から発行できる書類とそれぞれの使用用途は異なるため、自分は退職時に何をもらわないといけないか、事前に確認をしておくとスムーズです。
また、発行方法など会社によって異なるため、どのように受け取るかも確認しておくとよいかと思います。