「退職したい」と思った時に、退職の意思があったことを社内で記録するために書面提出を求める会社が大半です。その場合に退職届と退職願と辞表のどれを提出すればいいのか。と疑問を感じたことがあるのではないでしょうか?
結論から伝えると、退職時には「退職届」の提出がおすすめです。
ではなぜ退職届の提出が良いのか?その理由を説明し、それぞれの書類の違いや書き方を解説します。
退職届・退職願・辞表の違いと効力
ここでは、退職届と退職願と辞表の3種類の違いと効力を説明します。
退職届
退職届は「退職したいという意思」を伝える書面です。
労働者からの一方的な退職の申し入れの書類になるので、会社の承諾を必要としないのが特徴です。
「退職したいという意思」なので会社はこれを拒否することはできません。
退職届は会社が受け取った時点で効力が生じ、無期雇用の場合は2週間で退職は確定します。
退職願
退職願は「退職したいという希望」を伝える書面です。
労働者が退職を希望する旨を願い出る書類になるので、会社の了承や合意が必要となります。
あくまでも「退職をしたいという希望」なので会社はこれを拒否することができます。
辞表
辞表は「役職を辞することを表明する」書面です。
あまり聞きなじみがないかと思いますが、辞表は社長や取締役などの会社と雇用関係にない人や公務員などが退職をする際に辞表を提出します。
会社役員などは会社と雇用関係がないため、労働契約を解除する必要がありません。そのため「現在の役職の辞意を表明する」のが辞表の役割となっています。
退職届・退職願の書き方とテンプレ
会社によっては退職届や退職願の社内指定フォーマットがある会社もあればない会社もあります。
ここからは退職時によく使用する退職届と退職願の2つの書き方とテンプレを紹介します。
こちらは当社顧問弁護士監修のフォーマットなので法的な効力があります。
会社に提出を求められた際はこのフォーマットを参考に記載して頂ければと思います。
退職届のテンプレ
※あくまで一例です。退職後の連絡先はご自身の電話番号をご記入下さい。
記載の際は「フリクション・カラーペン・シャチハタ以外の印鑑」の使用はNG!
退職願のテンプレ
※あくまで一例です。退職後の連絡先はご自身の電話番号をご記入下さい。
退職届との差は名前が違うだけ。ただそれだけだけど効力は全く異なります。
退職願と退職届の書き方のポイント
以下に記入のポイントを記載します。
会社フォーマットがある場合はそちらを使う
退職は退職の意思を伝えれば確定するので、フォーマットは関係ありませんが、会社手続きで必要となる場合が多いので、会社からの指示がある場合は会社フォーマットの届けで提出をしましょう。
記入はボールペン・印鑑は実印
鉛筆や消せるボールペン(フリクション)などは使用しない。
捺印はシャチハタなどは使用せず、実印を使用しましょう。
間違えた場合は二重線と訂正印
修正ペンや修正テープは使わずに二重線と訂正印で対応をしましょう。
宛名は正式に
基本的には『株式会社○○ 代表取締役 ○○○○様』といった形で代表の名前まで入れるのがポイントです。
退職理由は「一身上の都合」が一般的
会社から詳細に記載してほしいなどの要望が無い限りは「一身上の都合」と記載するのが一般的です。
郵送する際には必ず追跡が残るものにて郵送
もし退職に必要な書類を郵送する場合は、必ず追跡が残るもので郵送をすることをおすすめします。
会社に「送った・届いていない」の水掛け論になることも多いため、もし郵送が必要であれば、レターパックや宅急便コンパクトのような追跡があるもので郵送をしましょう。
・レターパックはポスト投函ができるが、日時指定ができること
・宅急便コンパクトは日時指定はできるが、ポスト投函はできずコンビニかヤマトに出向く必要があります。
ご自身にあった郵送方法を使いましょう。
【結論】どの書類を提出すべきか
退職時には退職届を提出しよう
結論、退職時には退職届の提出がおすすめです。
理由は以下の通り。
以上の理由から、退職時には退職届を提出しましょう。