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契約社員(有期雇用)は契約満了まで退職できない?法律を元に退職方法を詳細に解説!

契約社員と聞くと、無期雇用のアルバイトや正社員に比べて辞めにくそうなイメージがありますよね。
実際に、契約社員の方はなかなか退職を認めてもらえず困っているというお話を耳にします。
今回はそんな契約社員の退職について、法律を元に解説していきます!

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目次

契約社員とは?

契約社員とは「雇用期間に定めのある、有期労働契約」を結んだ社員ことです。 

有期労働契約の期間は、労働基準法で「原則として最長3年(専門職など特定の条件がある場合は5年)」と定められています。
多くの会社では、1年毎に更新や終了を判断する場合が多いです。
1回の契約期間は最長3年もしくは5年となりますが、同一企業で契約更新を繰り返し5年間継続して働いた場合は、本人の申し出があれば無期雇用に転換することが可能です。 

実は、法律上には契約社員という言葉はなく、これは便宜上の通称です。 正しくは有期契約労働者です。

どういう人が契約社員にあたるのか

契約社員には次のような方が該当しています。 

  • 派遣社員
  • 準社員
  • 非常勤
  • 臨時職員
  • パートナー社員
  • 嘱託社員

などは一般的には有期雇用の契約社員です。

前述した通り、正式な名称は有期契約労働者で、例にあげた名称はあくまで通称です。

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このように通称が異なるのは、会社ごとに定めている仕事内容や労働時間、給与体系、責任範囲などの労働条件が異なるためだと言われています。 

そういった雇用形態に関しては以下の記事で詳細に記載しています。

契約社員と正社員の違い

  • 正社員の多くは無期雇用のため、この記事では便宜上正社員=無期雇用と定義させていただきます。 

まず、一番大きな違いは雇用期間です。
 契約社員は契約ごとに更新か終了か判断されて勤務しますが、正社員の場合は本人が望めば定年まで働くことが可能という前提の無期雇用な部分がまず大きな違いです。 

また、契約社員は基本的に賞与はありませんが、正社員の場合は賞与をもらえる場合が多く、待遇が異なる場合もあります。 

本来は、同じ仕事をしているのであれば同一労働同一賃金の考え方で待遇差をつけないことが原則ですが、実際には契約社員のほうが待遇が良くない場合が多いとされています。 

正社員の退職については、下記の記事で詳細に説明しています。

契約社員のメリットとは?

ライフスタイルに合わせたり、人間関係が上手くいかなかった場合などに契約期間で終わらせて次の仕事に変更できる点はかなりのメリットだと言えるでしょう。 

また、業務領域や仕事内容が契約で決まるため自分の得意なことや専門性に特化して働くことが出来ます。

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一番のメリットは自分の希望通りの期間で働けるという点ではないでしょうか。

契約社員のデメリットとは?

契約が更新出来なかった場合に、また新しく職を探さなくてはいけないので、転職活動の負担があります。
また、自分の能力に合わせた待遇で契約が出来るのはメリットであるのと同時に、契約期間内での昇給などはないことも多いです。
そういった点は契約社員のデメリットであると言えるでしょう。

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自分が望んだ場合でも更新出来ない可能性が少なからずあることや、前述したように待遇面でも正社員に劣ってしまう場合があります。 

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契約社員の退職について

上記で「契約社員」についてを解説しました。
では契約社員として会社に雇用された際、辞める時はどうすれば良いのでしょうか?
実は、契約社員の退職は民法に明記されている内容の違いから正社員とは少し異なっています。 

法律上の見解(本記事の答え)

有期雇用では、使用者も労働者もその労働契約期間満了までその契約に拘束されます。 
では、契約社員の場合は契約期間が終了するまでは勤務しなければならず、辞めることができないということでしょうか?
その契約を解除することができるよう、民法では以下の法律が存在します。

当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

民法第628条

上記の民法628条では有期雇用の場合の退職について記載があります。

つまり、

契約期間に定めのある労働者が退職する場合には本来契約期間までは勤務しなければいけないが、『やむを得ない事由』があれば契約期間中でも退職することは可能

これが本記事の結論となります。

「やむを得ない事由」とは具体的に何か 

契約社員に関しては正社員と違い『やむを得ない事由』が必要とはなりますが、それらは精神的・肉体的理由が該当します。

  • 各種パワハラがある 
  • 病気を患っている
  • 持病が悪化している
  • 事情により引っ越しが必要になった
  • 仕事がプライベートに影響して体調が悪くなっている
  • 睡眠障害、食欲不振、動悸など生活に支障をきたしている
  • 契約書に記載してある契約内容と実態が異なる
  • 身体的理由、精神的理由により仕事ができなくなった
  • 身内の介護がある 
  • 給与や残業代の未払いなどがある

上記は一例ですが、こういった事例があれば『やむを得ない事由』に当てはまるため、即日の退職が可能となります。

「やむを得ない事由」に診断書は必要?

会社にやむを得ない事由を伝えた際に、診断書の提出を求められるケースがあります。
診断書の提出は必ずしも必要なのでしょうか?
退職時の診断書の提出は法的に定められていないため必要ありません
ただ、会社としては、やむを得ない事由を納得・判断する書類として提出を求めている可能性もあります。
もし会社から提出を求められた際に提出が可能であれば対応された方がスムーズです。

つまり、診断書が無くても退職はできるが、会社から提出を求められた際は診断書を発行できるようであれば提出したほうが退職はスムーズに進みます。

円満な退職をするための流れや伝え方については下記の記事で解説しています。

「やむを得ない事由」が無い場合

明確にやむを得ない事由が無い場合は、契約社員満了までは退職できないのでしょうか?
実は、やむを得ない事由が無い場合でも、即日での退職が可能になるケースがあります。
労働基準法にはこのような法律が明記されています。

期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が1年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第14条第1項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一部を改正する法律附則第3条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第628条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。

労働基準法 第137条

つまり、 契約社員の場合は1年以上継続して勤務していれば契約途中であっても退職は可能です。
これは更新が半年や1年であっても継続して勤務している期間が1年あれば同様に契約途中での退職が可能になります。  

ただ、それでも退職を認めてくれない・退職を引き伸ばされる、など会社を辞めさせてくれない状況の方も多いのではないでしょうか?
そういった際は退職代行に依頼するというのも一つの手段となります。

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また、退職代行を使うこと無く、ご自身で退職をサポートしてくれるようなサービスもあります。
自分の退職理由が「やむを得ない事由」に当てはまるのかどうかがわからないという方は、以下のサービスで相談をしたり、サポートしてもらうこともできます。

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就業規則の意味とは?

就業規則よりも法律が優先されるのであれば就業規則という存在の意義すら分からなくなってしまいそうですが、
実は就業規則がなくなってしまっては労働活動を安全に行うことが出来なくなってしまう可能性もあります。

就業規則とは?

就業規則について厚生労働省は、下記のように定義しています。

労働者の賃金や労働時間などの労働条件に関すること、職場内の規律などについ
て定めた職場における規則集です。
厚生労働省【リーフレットシリーズ労基法89条】


会社でのルールを定め、会社と労働者の双方が就業規則を守ることで労働者が安心して働くことができ、トラブルも防ぐことが出来ます。 

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つまり、就業規則はあくまで会社内でのみ適用されるルールということになります。 

就業規則が活用される場面は?

就業規則には絶対的必要記載事項というものがあり、これらは法律で明記することが定められているものです。

ただ、それ以外の部分については法律での明記が義務付けられていないため、制度があるにも関わらず何も基準がなくては会社側も労働者側もどうしたらいいか分からなくなってしまいます。

そのため、退職金や各種手当など法律に明記がない制度については就業規則に明記し周知する必要があります。 

退職と就業規則の関わり

前提として、就業規則は労働基準法第92条1項法令に反してはならないことが定められています。

また、労働基準法13条に就業規則で定める労働条件が法律の規定を下回る場合、法律で定められる基準が優先して適用され、就業規則の内容が法律で定められている基準より下回っている部分については無効となります。 

そのため、就業規則に退職時は1か月前の申し出が必要と記載があった場合でも無期雇用の場合は法律に記載されている2週間後には退職が確定するという法律のが適用されます。
また、契約社員の場合は契約期間まで必ず働くようにという文言があったとしても、やむを得ない事由があれば退職出来るという法律が優先されます。 

まとめ

契約社員は正社員に比べると辞めにくそうなイメージや辞められなさそうなイメージがあるかもしれません。 

実際に正社員より契約社員のほうが縛りが多く辞めにくいのは事実です。 
会社の就業規則や雇用契約に則り、退職はいますぐ出来ない。と思って退職に悩んでいる方も少なくありません。

ただ、本来退職は労働者の権利なので辞められないということはありません。
そのために法律が存在しています。
今回の知識を元に、もうこれ以上働けない場合は契約などは気にせず退職の相談をしてみると良いでしょう。

それでも退職を伝えづらい、なかなか退職を認めてくれないこともあります。
そのような場合には、自分で退職するサポートをするサービスや、退職の代行をしてくれるサービスなどの利用を検討してみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

河野萌香のアバター 河野萌香 期待の新生ブロガー

1998年千葉県生まれ。
小学校から高校までの10年間吹奏楽部に所属。
大学時代は業界最大手のカフェチェーンにてアルバイトとして勤務し、在籍中に社内公募に合格しブランド旗艦店に異動。
大学卒業後は美容室のレセプションとして勤務。
2023年10月に株式会社アルバトロスに入社。
退職代行業務を通して培った知識と経験を元に労務知識を発信していく。

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